インド科学技術省(MoST)は9月15日、ニューデリーのBRIC国立植物ゲノム研究所(BRIC-NIPGR)に、異なる環境条件下で作物を評価し、気候変動に強い品種の開発を加速する国産施設「SPROUT」が開設されたと発表した。

(出典:PIB)
SPROUTは季節に左右されない環境制御施設で、多数の試料の表現型解析、ストレス耐性の精密な評価、遺伝資源や育種集団、突然変異体、遺伝子組み換え系統、ゲノム編集系統の評価を行う。特にヒヨコマメに重点を置き、ゲノミクスやゲノム編集の進歩を形質の評価と育種につなげる。遺伝子の発見から形質の検証、作物改良までを、より効率よく進められるようにする。
同研究所は、世代交代を加速する別の技術「SpeedSeed」も開発した。ヒヨコマメでは最適化した手順によって世代交代期間を約40日に短縮でき、従来の育種や研究に要する期間を大幅に縮められる。この技術はSPROUT内で使えるほか、適切な環境制御施設にも応用できる。両者を組み合わせることで、有望な作物の形質の評価と世代を進める作業を加速し、研究から改良品種の開発までの期間を短縮できるという。
開設式には、BRIC-NIPGR所長のマノジ・プラサド(Manoj Prasad)教授、同研究所のセンティル・K・ムタッパ(Senthil K. Muthappa)博士、バイオテクノロジー庁(DBT)のニティン・ジャイン(Nitin Jain)博士らが出席した。ジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術相は、地理や農業気候が多様なインドでは、異なる環境条件下で作物を評価することが農業の強靱性を高める上で重要だと述べた。
DBTは2014~2026年に農業バイオテクノロジーなどの300件超の事業を支援した。コメやコムギ、ヒヨコマメなどで、干ばつや洪水、塩害、病害虫への耐性を高めた50以上の改良品種が開発された。ゲノミクスを活用した育種事業で開発された気候変動に強いコメ17品種は、現在、約150万ヘクタールで栽培されている。同科学技術相は、科学の成果を農家に分かりやすく伝え、研究機関と農家や産業界との交流を強めるよう求めた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部