インドのマニパル高等教育アカデミー(MAHE)とタタ基礎研究所(TIFR)の研究者らは、中性子星や白色矮星の内部にできる微小ブラックホールが、初期質量が臨界値を超えていれば、ホーキング放射による質量の減少を上回って成長できることを理論的に示した。科学誌nature indiaが9月17日に伝えた。研究成果は学術誌Physical Review Dに掲載された。
暗黒物質が豊富な銀河内の領域では、コンパクト星の内部にある微小ブラックホールが周囲の暗黒物質を取り込み、質量を増やす可能性がある。一方、ブラックホールはホーキング放射によって粒子を放出し、質量を失う。成長を続けるには、取り込みによる質量の増加が放射による減少を上回る必要がある。
研究チームは解析モデルと数値計算を用い、中性子星と白色矮星の内部にある微小ブラックホールの成長をシミュレーションした。チームにはチャンドラチュール・チャクラボルティ(Chandrachur Chakraborty)氏とスディプ・バッタチャリヤ(Sudip Bhattacharyya)氏らが参加した。研究者らは、これらの星が超高質量の暗黒物質粒子を捕らえ、それらが星の中心部に蓄積した後、重力崩壊して微小ブラックホールを形成し得るとした。
計算によると、初期質量がわずか約40トンのブラックホールでも、ホーキング放射による質量の減少を上回り、成長を続けられる。天の川銀河の円盤部にある白色矮星では、その臨界質量は約1万トンとなる。中性子星の場合は、銀河のバルジで約600トン、円盤部で約10万トンだ。研究者らによると、それぞれの環境に対応する臨界質量を超えると、ブラックホールの正味の成長率はプラスになる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部