インド科学技術省(MoST)は9月30日、国家量子ミッション(NQM)が8年間で目指す2000kmの量子セキュア通信に対し、約3年で1000km超を達成し、量子スタートアップへの支援対象を17社から26社に拡大したほか、政府の政策が産業界と民間部門の最先端技術への参画を促し、国内の量子技術の開発と規模拡大を支えていると発表した。

(出典:PIB)
ニューデリーで開かれた共同開発・ベンチャー連携会合「PRAGATI Q-FOUNDRY 2026」で、ジテンドラ・シン(Jitendra Singh)科学技術相は、計画期間の半分未満で通信距離の目標の半分を達成したことが、量子分野で築かれた能力を示すと説明した。会合では10件の量子技術と9社のスタートアップが紹介され、了解覚書(MoU)も交換された。
NQMはインド理科大学院(IISc)とインド工科大学マドラス校(IIT-M)、ボンベイ校(IIT-B)、デリー校(IIT-D)の4つのテーマ別拠点に、17州と2連邦直轄領の43機関から152人の研究者を集めている。対象分野は量子コンピューティング、量子通信、量子センシング・計測、量子材料・デバイスである。IIT-Mの量子通信拠点の技術グループは、バラット・サンチャル・ニガム(BSNL)社の既存の光ファイバーを使い、チェンナイとベンガルール間の17のセキュアなノードを結ぶ耐量子計算機暗号(PQC)と量子鍵配送(QKD)のハイブリッド通信リンクを実証した。50psのデイジーチェーン方式の時刻同期も研究コミュニティー向けにオープンソースで公開された。
政府の支援は資金に加え、インフラ、助言・指導、技術検証、産業界との連携、顧客開拓支援にも及ぶ。同相は、量子技術には多額の資金と長期的な関与が必要で、スタートアップの持続可能性には早期の産業連携が重要だと指摘し、各州に国産技術の評価と導入・調達の検討を求めた。
インド政府首席科学顧問のアジャイ・クマール・スード(Ajay Kumar Sood)教授は、4拠点から技術成熟度の異なる約52の技術が生まれていると説明し、国産技術の導入と調達が、スタートアップの持続可能性と国際競争力のある製品の創出に不可欠だと強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部