2021年04月
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イノベーションをリードする科学人材育成 韓国、2.5兆円規模の科学人材・支援計画発表

韓国科学技術・情報通信部は2月25日、今後5年間の第4次科学人材育成・支援基本計画の策定を発表した。

それによると、同計画では、「世界的な転換期において、イノベーションをリードする科学人材を原動力にする」というビジョンを提示。そのうえで、社会の変化に対応する能力をもった人材を惹きつける▽科学人材プールを維持・拡大する▽才能ある人材を惹きつけるためのエコシステム改革を実践する―といった政策目標を掲げた。今後5年間(2021年~2025年)で、25兆ウォン(約2.5兆円)を投入する予定という。

具体的には、初等中等教育段階では、理数学習の能力および興味関心の向上のため、AIによる数学学習システムの確立やインテリジェント実験室の設置、地域の大学と連携した教育・教員支援などを実施する。

意欲ある若手研究者の育成を目指した施策として、若手研究者・ポスドクを支援する200人規模の「世宗(セジョン)フェローシッププログラム」が新設される。この他、スタートアップ支援プログラムの拡充、女性を含む多様な科学技術労働力への支援、海外研究者を招へいする「ブレイン・プール・プラス・プログラム」の拡充、就業支援策が盛り込まれた。

背景には、韓国において進む少子高齢化による、将来的な科学人材・労働力の不足(4.7万人規模)や、若年層の理数系科目への興味・関心の低さ、教育と雇用のミスマッチ等の課題がある。こうしたことを踏まえて基本計画では、将来をリードする人材を惹きつけることで、科学技術における国際競争力を強化したいとしている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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