韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は6月25日、「6G研究開発実施計画(6G R&D implementation plan)」を策定したと発表した。
世界に先駆けて5Gを導入した韓国は、5Gに続く通信規格である6Gに向けた準備を進めている。5月に開催された韓米首脳会談での合意に基づき、韓国と米国との間で、6Gの共同研究に関する了解覚書(MoU)への署名が行われた。
「6G研究開発実施計画」はこの覚書締結を受けて策定されたもので、6G技術の世界的リーダーとなるための、次のような行動計画を提示している。
- 1. 次世代の主要な独自技術の確保:特に、地球低軌道(Low Earth Orbit: LEO)衛星や超高精度なネットワーク等の10の「戦略的技術」技術に重点的に投資する。政府主導で6G技術に関する研究を行っている米国、中国、フィンランド等の国々との共同研究も推進する。
- 2. 国際標準規格と特許における優位性の獲得: 国際電気通信連合(International Telecommunication Union: ITU)の「6Gビジョングループ(6G Vision Group)」の議長と国際標準化団体3GPPのRAN1(物理レイヤ)作業部会の議長が韓国から選出されたことは、国際規格の策定において主導権を取るための足がかりとなる。
- 3. 6Gに関する研究と産業の基盤づくり:2021年に3つの大学で6G研究センターを設立し、修士号や博士号を持つ学生を対象とした人材育成を行う。さらに、国内の中小企業、大学、研究機関による共同研究を拡大することで、研究者の6G能力を強化する。
MSITのイム・ヘスク(Lim Hyesook)長官は、「次世代通信はデジタルイノベーションの基盤となる」とし、ネットワークに関する韓国の経験とノウハウに基づき、6G時代の世界市場を先導できるよう官民連携で取り組む必要があると表明した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部