2021年08月
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量子粒子の生成でポラリトンレーザーを発生させるシステム開発 KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は7月7日、室温で相互作用性の高い量子粒子を生成できる、エネルギー効率に優れたレーザーシステムを開発したと発表した。研究成果は科学誌 Nature Photonics に発表された。

提供:KAIST

KAISTで物理学を研究するチョ・ヨンフン(Cho Yong-Hoon)博士らが開発したこのシステムは、六角形状の微小共振器と窒化ケイ素の損失変調基盤(loss-modulated silicon nitride substrate)を用いて設計された。この共振器の構造と材料が決め手となり、通常は極低温を条件とするポラリトンレーザーを室温で発生させることに成功した。

さらにこのシステムでは、ある「反直感的な(counter-intuitive)」現象が生じたという。通常はレーザーの動作中はエネルギーが失われるが、このシステムでは、エネルギー損失の増加に伴い、レーザーを発生させるために必要なエネルギー量が減少する。この現象を利用することで、量子光学デバイス向けの高効率、低閾値のレーザーを実現できる可能性がある。

チョ教授は、このシステムはエネルギーの損失を利得として利用できる重要なプラットフォームとして、「光学デバイスやセンサー、量子デバイスでレーザーの閾値エネルギーを低下させ、光の方向を制御するために使用できる可能性がある」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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