2021年09月
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コロナ感染者の肺の損傷にマクロファージが関与 KAIST

韓国科学技術院(KAIST)の免疫学者らが、マクロファージの特定のサブタイプが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した人の肺で生じる炎症反応において重要な役割を果たすことを発見した。KAISTが 8月4日に発表。研究の成果は科学誌Nature Communicationsに掲載された。

マクロファージは、ウイルスに対する最初の免疫応答である「自然免疫」で主要な役割を果たす細胞の1つとして知られている。

KAISTのパク・スヒュン(Park Su-Hyung)教授らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したフェレットのモデルを用い、気管支肺胞洗浄液中細胞の1細胞RNAシーケンス解析(single-cell RNA sequencing)を行った。

SARS-CoV-2感染時に肺障害を引き起こすマクロファージのサブタイプの特定(写真提供:KAIST)

研究チームは、SARS-CoV-2への感染から5日間にわたってマクロファージのサブタイプ10種類を解析し。この結果、血液中の活性化された単球に由来する浸潤性のマクロファージが、ウイルスの排除に関与すると同時に、肺組織に損傷を与えることを発見した。さらに、これらのマクロファージの分化プロセスが、COVID-19の重症患者の肺組織で生じる免疫応答のプロセスと類似していることを突き止めた。

パク教授は本研究について、SARS-CoV-2に感染した肺から免疫細胞を連続的に採取した初めての縦断研究であるとし、「1細胞のトランスクリプトームデータを使用してSARS-CoV-2への自然免疫応答を解明し、炎症応答の2つの局面に関する理解を深めるものである」と説明した。

チームは現在、COVID-19患者への免疫抑制剤の使用中に起こる、免疫応答の動的変化を解析するための追跡調査を実施している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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