韓国で「カーボンニュートラルとグリーン成長に関する枠組み法 (カーボンニュートラル法) 」 が国会で可決され、近く公布される見落としとなった。同国のハン・ジョンエ (Han, Jeoung-ae) 環境相が9月2日に表明した。
韓国は昨年12月に国連に提出した長期低排出発展戦略 (LEDS) の中で、2050年のカーボンニュートラルのビジョンを発表。今回可決されたカーボンニュートラル法は、そのビジョンを実現するための法的手続きや政策手段を規定したものとなる。この法律には以下の6つの意義がある。
- 1. 韓国は2050年のカーボンニュートラルのビジョンとその実施策を世界で14番目に法制化した国となる。
- 2. 2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、2030年時点での温室効果ガス排出削減目標を従来目標より9%引き上げ、2018年比で35%以上の削減とする。
- 3. カーボンニュートラル達成に向けた取り組みのガバナンス範囲を、専門家や企業だけでなく、若者や労働者も含まれるものとする。
- 4. 主要な国家計画や開発プロジェクトにおいて、気候影響評価を採用するとともに、国家予算を作成する際に排出削減目標を設定した気候対応型予算を導入する。また、産業の変革を支援するための気候対応ファンドも新設する。
- 5. カーボンニュートラルへの公正な移行のために影響を受けやすい地域やグループを保護する詳細な政策措置を行う。
- 6. カーボンニュートラルに向けた取り組みを中央集権的なシステムから地方分権的なシステムへ移行する。
ハン環境相はこの法律の制定により、「今後30年にわたってカーボンニュートラル政策を推進するための基盤ができた」 と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部