2022年01月
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タンパク質活性の調節により健康寿命の延伸する方法発見 KAIST

韓国科学技術院(KAIST)の研究チームはタンパク質の活性を調節することで、人間の健康寿命を延伸する方法を発見した。2021年11月19日に発表した。この研究成果は9月24日に学術誌 Nature Communications に掲載された。

KAIST生物科学科のイ・スンジェ・V(Seung-Jae V. Lee)教授らは、腫瘍抑制タンパク質であるホスファターゼ・テンシン・ホモログ(phosphatase and tensin homolog: PTEN)の特定のアミノ酸変化が、健康な期間を大幅に延ばしながら長寿を維持することにつながると発見した。この成果は、健康寿命を延伸するための治療薬の開発に役立つ可能性がある。生物モデルには線虫C.エレガンスを用いた。

健康寿命(Healthy Longevity)を延伸する研究のイメージ(提供:KAIST)

このアミノ酸変化は、インスリン様増殖因子I(IGF-1)シグナル伝達(IIS)を抑制することで健康寿命を改善する。IISの抑制は長寿につながる反面、運動性や生殖、成長等に関する障害を生じさせるという問題があった。今回発見されたアミノ酸変化は、タンパク質ホスファターゼの活性を維持しながら脂質ホスファターゼの活性を抑制する等、IISを精密に再調整することで、健康な状態で長寿を維持できる可能性がある。

イ教授は、「本研究は、PTENという1種類のたんぱく質の活性を微調整することにより、人間の長寿と健康を同時に促進できる可能性を示した」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部