韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は1月、研究者向けの統合情報システムと規制サンドボックスプログラムの成果をそれぞれ発表した。
MSITは1月28日、研究者中心の環境を作り、管理業務を効率化することを目的とした「統合研究情報システム(Integrated Research Information System:IRIS)」の開設式を行った。このシステムは研究プロジェクトの標準やシステムが統一されていないことによる不便さに対処するため、予算や研究者情報の管理に用いられていた3つのシステムを統合して作られた。
今後は韓国研究財団(National Research Foundation of Korea)をはじめとする5つの専門機関に導入され、1年以内に別の15機関にも導入される予定である。
MSITは1月20日、ICT規制サンドボックスプログラム(ICT regulatory sandbox program)が3年目を迎えたとして、規制サンドボックスの成果と、これらを活用する企業へのインタビューを公開した。
現時点で、政府は申請された166件のプロジェクト中135件を規制サンドボックスの対象として承認しており、この中から77の新しい技術・サービスが生まれている。承認されたプロジェクトでは売上とサービス利用者数が大幅に増加し、雇用創出や投資の呼び込みといった成果も上がっている。
また、タクシーシェアリング、キッチンシェアリング、非接触型の電話通信サブスクリプションサービスを含む56件の承認済みプロジェクトでは、全ての事業体が同じ法的利益を受けられるよう規制が修正された。MSITは、規制サンドボックスは3年間で素晴らしい成果を挙げていると述べ、2022年のプロジェクトへの関心を呼びかけた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部