2022年07月
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メタサーフェスを利用...髪の毛3本の薄さのフィルターに色鮮やかな画像を表示 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)の研究チームがメタサーフェスを用いて、極めて薄いフィルターに明瞭なカラー画像を表示する新たな技術を開発した。5月24日付け発表。研究成果は学術誌 Light: Science & Applications に掲載された。

ナノ構造の周期的な配列によって構成されるメタサーフェスは、鮮やかな構造色(structural color)を示す画像を生成できるとして注目を集めている。これまで誘電材料やプラズモン材料を用いて構造色を生成した研究はあったが、これらの技術を商用化するには、特定の刺激に基づいて色を動的に調整できる柔軟な印刷手法が必要となる。

今回、研究チームは、赤・緑・青の三原色の「オン」と「オフ」の状態を各ピクセル単位で制御することで、色を柔軟に表現する方法を開発した。既存のカラーフィルターにない注目すべき特徴は、三原色の輝度を個別に調整したり三原色を混ぜ合わせたりすることにより、個々のピクセルで多様な色を生成できる点である。

(提供:POSTECH)

開発されたカラーフィルターは高性能スマートフォンの画面の120~170倍の解像度を持つ。チームは、厚さ200~300マイクロメートル(髪の毛3本に相当)のフィルター上に色鮮やかな画像を表現することに成功した。

この技術は、軽量・薄型のディスプレイに鮮やかな画像を表示する方法として注目されているほか、暗号技術等にも応用できる可能性がある。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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