2022年07月
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「3成分」のコアシェル構造の光触媒...グリーン水素製造の世界最高効率を達成 韓国・高麗大学校

韓国の高麗大学校(Korea University)の研究チームが、画期的な構造の光触媒を用いて世界最高のグリーン水素製造効率を達成した。5月30日付け発表。研究成果は学術誌 ACS Nano に掲載された。

環境に優しいエネルギー源であるグリーン水素の製造法のうち、光触媒分解は、電源を必要としないシンプルなシステムを用い、太陽光エネルギーのみで行えるとして注目を集めている。しかし、この方法を用いた光エネルギーから水素への変換は効率性が低く、十分な採算性を実現できる触媒材料の開発が大きな課題とされてきた。

そこで今回、イ・インファン(Lee In-Hwan)教授のグループは、金とセリアのコアシェル構造をグラフェンで覆った3成分から成る(three-factored)光触媒(Au@CeO2/Gr)を調製し、この触媒を用いて世界最高の水素生産速度(production rate)(8.1 µmol/mg·h)を達成した。この触媒は、従来の2成分のコアシェル構造による光触媒と比較して、光エネルギーにより生成されるホットキャリアの寿命を延長し、より多くのホットキャリアを水素製造に利用することを可能にする。

研究を率いたドゥン・バン・ダオ(Dung Van Dao)研究教授は「高効率な水素製造のための3成分光触媒を開発し、光エネルギーを水素に変換するためのこの触媒システムの動作について深い洞察を得た」と研究の意義を強調した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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