2022年07月
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皮膚に貼り付け可能-薄く小型のマイクロフォンを開発 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は6月22日、同大学の研究チームが、皮膚に貼りつけて音声を認識できる、薄く小型で高性能なマイクロフォンを開発したと発表した。この研究の成果は学術誌 Advanced Materials に掲載され、表紙論文の1つに選ばれた。

携帯電話やBluetoothデバイスで用いられている従来の微小電気機械システム(microelectro-mechanical system:MEMS)マイクは小さく精巧な振動板(diaphragm)構造を持つが、硬く脆いシリコンを材料としているため、折り曲げることが難しかった。

研究チームは今回、シリコンよりも柔軟性に優れた高分子材料を用いてMEMSベースのマイク構造を作成することにより、この限界を克服した。このマイクは手指の爪の4分の1ほどと小さく、数百マイクロメートルの薄さで、本物の皮膚のように身体の表面や指先に貼り付けることができる。

(提供:POSTECH)

このマイクは人間の耳よりも高い聴覚感度を持つ。さらに、聴覚に損傷を与える85デシベル以上の騒音や、人間に聞こえない低周波音も検出できる。皮膚に貼り付けて音声アシスタントに接続した際、ユーザーはこのマイクを介して難なく検索や翻訳等のデバイスの機能を利用できたという。

チームは、このマイクをウェアラブル圧力・温度センサーやフレキシブルディスプレイと組み合わせ、聴覚機能を持つ電子皮膚(electronic skin)を開発することを計画している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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