韓国の基礎科学研究院(IBS)は、ウイルスに関する研究能力と感染症のアウトブレイクへの対応力を強化するため、米国の国立衛生研究所(NIH)およびセント・ジュード小児研究病院(St. Jude Children's Research Hospital)と、共同研究に向けた話し合いを行った。EurekAlert!が8月29日に伝えた。
IBSのノ・ドヨン(Noh Do Young)院長と同院Korea Virus Research Institute (KVRI)のチョ・ヨンキ(Choi Young Ki)所長らは8月18日に、NIH傘下の研究機関である米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)を訪れ、アンソニー・S・ファウチ(Anthony S. FAUCI)所長や科学部門の代表者と会談した。会談では最新の研究状況や、両機関の共同研究の可能性が議論された。ノ院長は「NIAIDのワクチン研究センター(Vaccine Research Center)との協力により大きな相乗効果が生まれると期待している」と述べ、早期に連携を開始したい意思を示した。
IBSの代表団はその後8月23日に、セント・ジュード小児研究病院と、KVRIと同病院間のウイルス感染症の共同研究に関する了解覚書(MoU)を締結した。小児疾患治療で世界的に有名な同病院は、世界保健機関(WHO)と連携したWHOインフルエンザ協力センター(Influenza Collaboration Center)を通じて、人獣共通感染症の研究に取り組んでいる。今回のMoUは感染症・ウイルス分野の共同研究を拡大することを目的としており、KVRIは同病院が持つ研究資源の活用や研究員の交換派遣を検討している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部