2022年11月
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準安定状態の材料とプローブを使用―ナノメートルスケールで「描く」技術開発 韓国

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は、同校の研究者らが、鋭いプローブの先端で「つつく」ことで、10ナノメートル(nm)以下の領域に絵を描くようにしてデータを書き込む技術を開発したと発表した。9月29日付け。この研究は同校のイ・デス(Lee Daesu)教授らと崇実大学校(Soongsil University)、ソウル大学校(Seoul National University)の共同研究チームにより行われ、研究成果は学術誌 Physical Review Letters に掲載された。

(提供:POSTECH)

今回の研究では、準安定状態の強誘電性(metastable ferroelectric)を持つチタン酸カルシウム(CaTiO3)の薄膜を材料として用いた。この薄膜は、プローブからわずかな(100ナノニュートン以下)力を加えるだけで分極を反転させることができる。チームはこの小さな力を用いて幅10 nm以下の分極経路(polarization path)を実現し、データ容量を劇的に増加させることに成功した。

この成果は、不安定な準安定状態で材料の性能が向上することを示した点で注目を集めており、統合性と効率性に優れた次世代電子機器の開発につながると期待されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部