2022年11月
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キラル構造を用いて低周波振動を除去する技術開発 韓国

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は、同大学の研究チームが、キラル構造を用いて低周波振動を完全に除去する手法を開発したと発表した。9月16日付け。この研究成果は学術誌 Communications Physics に掲載された。

低周波数の振動が発する音は聞き取りにくいが、ひとたび気付くと無視できないほど不快に感じることがある。韓国では、隣接する集合住宅の間で聞こえる低周波音について、住民から苦情がよく寄せられている。

構造物の弾性波(elastic wave)はさまざまなモード(mode)をとるため、生じうる全ての振動モードを抑制することは非常に困難である。先行研究ではメタ材料を用いて振動を軽減する方法が研究されてきたが、こうしたシステムは1つの振動モードに特化しており、意図していない振動を増幅させてしまうリスクがあった。

今回、研究チームは、キラル構造を用いて低周波の完全バンドギャップ(complete bandgap)を導入することで、あらゆる振動を効果的に抑制する仕組みを開発した。

(提供:POSTECH)

研究を率いたロ・ジュンスク(Rho Junsuk)教授は「ナノメートルサイズで研究されてきたさまざまなメタ材料を、日常生活で使用できるサイズへと拡大したことは意義がある」と語った。 今回の研究成果は、振動・騒音軽減システムの開発だけでなく、機械や建築の分野にも応用できる可能性がある。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部