2022年11月
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メタサーフェスで全方位を同時に計測可能なLiDARセンサー開発 韓国

韓国の浦項工科大学校のロ・ジュンスク(Rho Junsuk)教授らは、成均館大学校(Sungkyunkwan University)のキム・インキ(Kim Inki)教授と共同で、メタサーフェスを用いて、360°全方位を同時に計測できる完全ソリッドステート型のLiDARセンサーを開発した。10月25日付け発表。研究成果は学術誌 Nature Communications に掲載されている。

これは、極薄の光学材料であるメタサーフェスを用いて超小型のLiDARセンサーを実現する独自技術として注目を集めている。研究チームは設計の修正とメタサーフェスを構成するナノ構造の周期的な配置を行うことで、LiDARセンサーの視野角を360°まで広げることに成功した。メタサーフェスから対象に1万個以上のドットから成る配列(光)を散乱させ、照射された点パターン(point pattern)をカメラで撮影することで、物体の3D情報を抽出できる。

このようなLiDAR技術は顔認識機能(Face ID)でも用いられているが、点パターンの均一性と視野角が限られており、センサーのサイズも大きいという限界があった。

この素子はナノインプリント技術を用いて曲面やフレキシブル基板(lexible substrate)にもプリントできるため、拡張現実(AR)メガネにも応用できる可能性がある。

(提供:いずれもPOSTECH)

ロ教授は、「従来のメタサーフェス素子よりも進化した技術を開発し、全方位で光の伝播を制御できることを証明した。この技術は超小型の全空間(full-space)3D画像化センサープラットフォームを可能にする独自技術となるだろう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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