韓国の高麗大学校(Korea University)は、電気工学部(School of Electrical Engineering)のチョ・リン(Choi Lynn)教授が率いる研究チームが、地下鉄の駅構内で使用できる屋内測位システムと、車椅子使用者や視覚障害のある人のための屋内ナビゲーションサービスを開発していることを明らかにした。10月20日付け。成功すれば、世界初の地下鉄用屋内測位サービスとなる。
正確な屋内測位システムへの需要は、車椅子用昇降機の事故の増加や障害のある人のための乗り換え案内の不足、障害のある人の移動の権利を求める声を受けてますます高まっている。
リン教授のチームは、韓国産業通商資源部(Ministry of Trade, Industry and Energy)のNew Excellent Technology(NET)認証を取得した、深層学習を用いた地磁気(geomagnetic)屋内測位システムに基づき、今年10月から2023年12月にかけて屋内測位システムとナビゲーションアプリを開発する。試験地にはスウォン(Suwon)駅が選ばれた。
この技術は自然に発生する地球磁場を用いるため、スマートフォンのみで動作し、特別な装置は必要としない。チームは、この測位システムを駅のエレベーターやエスカレーター、階段で使用できるようにし、視覚障害のある人や車椅子使用者を対象とした、安全な経路の案内や危険なエリアの警告を含む専用のナビゲーションを提供することを計画している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部