韓国の基礎科学研究院(IBS)は1月18日、同院の研究チームが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中、チャットボットが健康情報の入手や気分の向上に役立ったことを明らかにしたと発表した。この研究は、COVID-19に関するチャットボットと人間の会話の大規模データを分析した先駆的な研究の1つとなる。
IBSと梨花女子大学校看護学部(Ewha Woman's University's College of Nursing)の共同研究チームは、チャットボット「SimSimi」と米国、英国、カナダ、マレーシア、フィリピンのユーザーの間で交わされた2万件の会話を分析し、その使用状況を調査した。
チームは自然言語処理(NLP)技術を用いて18個のCOVID-19関連のトピックを特定し、これらを「COVID-19のアウトブレイク」や「予防行動」といったテーマに分類した。結果、COVID-19の情報提供を目的としたチャットボットではないにもかかわらず、多くのユーザーがパンデミックに関する情報を求めていた。
さらに、「マスク」、「ロックダウン」、「病気への恐怖」等のトピックがネガティブな感情を引き起こしたものの、チャットボットとの日々の会話は多くの場合ポジティブな感情につながったことがわかった。研究成果は、世界保健機関(WHO)の企画による「Chatbots and COVID-19」シリーズの下で、学術誌 Journal of Medical Internet Research に掲載された。
| テーマ | 番号 | トピック | (%) |
|---|---|---|---|
| COVID-19のアウトブレイク(16.4%) | 01 | COVID-19の拡大 | 12.4% |
| 02 | 武漢(中国) | 4.0% | |
| 予防行動(25.3%) | 03 | マスク | 5.4% |
| 04 | 回避 | 4.9% | |
| 05 | ワクチン | 4.0% | |
| 06 | ロックダウン | 5.5% | |
| 07 | ソーシャルディスタンス | 5.5% | |
| COVID-19の身体的・心理的影響(16.0%) | 08 | 恐れ | 5.7% |
| 09 | 死亡 | 4.7% | |
| 10 | 症状 | 5.6% | |
| パンデミック中の人々と生活(11.7%) | 11 | 願い | 2.2% |
| 12 | ちょっとした会話 | 5.8% | |
| 13 | 個々人へのCOVID-19の影響 | 3.7% | |
| COVID-19に関するチャットボットへの質問(30.6%) | 14 | 現在の状況 | 5.1% |
| 15 | 認識 | 10.3% | |
| 16 | 隔離に関するヒント | 4.4% | |
| 17 | 意見 | 5.8% | |
| 18 | 感染者・死亡者数 | 5.0% |
図1. Latent Dirichlet Allocationトピックモデルによる、ユーザーがチャットボットと話したトピックとその出現頻度

図 2. Linguistic Inquiry and Word Count ディクショナリによる、国別の COVID-19 関連の会話における肯定的および否定的な関連単語の割合の平均

図 3. Covid-19 パンデミックの間、ユーザーは健康関連の情報を探し、チャットボットで感情的なメッセージを共有した。これは、チャットボットを使用して正確な健康情報と感情的なサポートを提供できる可能性を示している
(提供:いずれもIBS)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部