2023年03月
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効率と耐久性に優れた次世代フレキシブルOLEDの透明電極を開発 韓国

韓国の高麗大学校(Korea University)は2月13日、同大学のキム・テグン(Kim Tae-geun)教授とチョ・ドンフン(Choi Dong-hoon)教授が率いる研究チームが、柔軟な(フレキシブル)有機発光ダイオード(OLED)の光学効率と機械的安定性を劇的に改善できる技術を開発したと発表した。研究成果は1月に学術誌 Nano Energy に掲載された。

次世代のOLEDや太陽電池素子に求められる柔軟性を実現するには、透過率と導電性を維持しながら柔軟性と機械的安定性を両立する電極が必要である。現在、ディスプレイ等の光電子素子の電極材料として広く用いられている酸化インジウムスズ(ITO)は導電性と透明性に優れているが、繰り返し曲げると壊れやすい欠点がある。

今回、研究チームは、網目構造を採用し、酸化インジウム亜鉛(IZO)の電極表面に金属イオン(Ni)を局所的に添加(ドープ)することで、ITOよりも優れた柔軟性と機械的安定性を持つOLEDディスプレイ向けの透明電極を開発することに成功した。

この電極を用いて作製された熱活性型遅延蛍光(TADF)フレキシブルOLEDは、20%以上の最大外部量子効率を示し、半径5ミリメートルまで2,000回以上曲げたあとでも最初の輝度の80%以上を維持する高い機械的耐久性を示した。

この研究成果は、単純な溶液プロセス(solution process)を用いた高効率なフレキシブルディスプレイの製造を可能にし、さまざまなウェアラブルデバイスの作製や効率化につながると期待される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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