韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は7月11日、機械工学・化学工学部(Department of Mechanical Engineering and Department of Chemical Engineering)のロ・ジュンスク(Rho Junsuk)教授率いるチームが、音と弾性を結合した構造(acoustoelastic coupling structure)を利用することによって、「連続体中の束縛状態(bound state in the continuum:BIC)」と呼ばれる物理学的現象を初めて実証したと発表した。研究成果は、Extreme Mechanics Lettersに掲載された。
(出典:POSTECH)
研究チームは、音と弾性の相互作用を通じてBIC現象の存在を検証することを目的とした実験装置を設計した。まず、弾性棒を製作し、加振器によって弾性棒に振動を与えた後、弾性棒の所定の位置に空気を注入することで、音と弾性の結合を発生させた。
実験では、弾性進行波(elastic progressive wave)の周波数が音響空洞内で発生する共振周波数と密接に一致すると、強い相互作用が現れ、弾性進行波の完全な反射が生じた。要するに、弾性波は来た方向に逆戻りし、特定の空間内に無限に閉じ込められたのである。弾性と音の組み合わせによってBIC現象を明らかにしたのは、この研究が初めてとなる。
ロ教授は、「この研究で得られた知見は、特定の周波数を選択的に分離できるフィルターの開発など、多様な応用の可能性を持っている」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部