韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は8月16日、4月に設立されたOpen RAN Industry Alliance(ORIA)の発足式を開催し、式典の席でオープンRAN政策のビジョンとORIAの運営方針を発表した。ORIAの議長はSKテレコムが務め、KT、LGユープラス、サムスン電子、LG電子などの業界リーダーが理事として参加している。
英調査会社オムディアが4月に実施した調査によると、米国や日本をはじめとする主要国は、自国の通信ネットワークにオープンRANフレームワークを積極的に導入している。近い将来、発展途上国からの需要が加わることにより、2021年時点では12億ドル規模だったオープンRAN市場は、2026年には5倍以上の64億ドル規模に成長すると予想されている。このようなオープンRAN市場の成長を受け、MSITは、支援的なインフラ確立や官民にわたる協力的なエコシステムの促進に重点を置いた「オープンRAN開発政策イニシアチブ」を発表した。
このイニシアチブの目玉としてMSITは、板橋市に設けられたオープンRANテストベッドの拡充、オープンRAN機器の国際認証制度の確立、基礎技術分野における国内企業の競争力確保の支援、オープンRAN業界のための協力的なエコシステムの育成などを掲げている。
こうした政府の政策と並行して、ORIAは、政府のオープンRAN研究開発ロードマップの策定・調整への参画や国内外の実証実験と相互運用性検証プロジェクトの主導、オープンRAN機器の国際的な認証制度や標準化プロセスの確立への積極的関与などを盛り込んだ構想と戦略を発表している。
MSITのイ・ジョンホ長官は、「我々はORIAを通じ、官民セクター間、そして大企業・中小企業間の協力的かつ互恵的なエコシステムを構築することを目指している」と述べ、オープンRAN技術と標準化に関する国際的な取り組みに積極的に関与していく姿勢を示した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部