韓国の浦項工科大学校(POSTECH)と世宗忠南大学病院(Chungnam National University Sejong Hospital)、英国ケンブリッジ大学の共同チームが、インクジェットプリンターの技術を応用して、脳から伝達される信号を増幅・処理する機能を持つ神経プローブを開発した。9月20日付発表。この研究成果は、Advanced Materialsに掲載され、掲載号のインサイドカバーに採用された。
脳に取り付けた神経プローブは、微妙な生体信号を効果的に検出できるが、これらの信号を増幅・処理する能力がないため、別に増幅器を使用する必要がある。
POSTECHの材料科学・工学科(Department of Materials Science and Engineering)および融合IT工学科(Department of Convergence IT Engineering)のジョン・サンジュン(Jung Sungjune)教授らによる共同研究チームが今回開発した統合型センサーは、生体信号を捕捉するとともに、生体信号の増幅・処理を強化することができる。研究チームはまず、髪の毛の100分の1という極薄の基板を製作し、インクジェット技術を利用して、この基板上に生体信号を検出、増幅、処理する機能を持つセンサーをインプリントした。
マウスを使った実験では、マウスの大脳皮質に取り付けることで、センサーが高解像度の脳由来信号を迅速に記録できることが示された。
(出典:いずれもPOSTECH)
ジョン教授は、「この技術は、意図した領域でシームレスにパターンを作成することを可能にし、将来的にはカスタマイズされた生体信号測定装置の製造に道を開くものである」と説明した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部