韓国の光州科学技術院(GIST)の生物医学総合研究所(Integrated Institute of Biomedical Research)は、米ハーバード大学医学部系のマサチューセッツ総合病院(MGH)の生物医学工学・ナノメディシン研究所(Institute for Biomedical Engineering and Nanomedicine)と、人工知能(AI)を活用したデジタルバイオ分野の共同研究や技術・研究者の交換に関する了解覚書(MoU)を締結した。9月26日付発表。

対象となる研究分野には、生命科学分野と宇宙科学分野(宇宙医学のトランスレーショナル・リサーチ)も含まれる。

この協定に基づき、両機関は、研究協力を推進するほか、治療法が見つかっていない疾病の克服を目指す共同研究への参加、AIを積極的に活用したバイオヘルス分野の新たな研究プロジェクトの計画、データの共有と学術イベントの開催、設備・施設の共同利用などに取り組む。

宇宙医学のトランスレーショナル・リサーチは、宇宙環境が人間の生理機能や認知行動に与える影響など、さまざまなテーマに関する生物学的・医学的プロセスを研究するものであり、宇宙飛行中に発生する実際の問題に適用できる対応策を開発する。宇宙技術の産業化は、バイオ・医薬品、医療、医療機器の分野で特に重要となっている。

GIST生物医学総合研究所のジュン・チャンドク(Jun Chang-Duk)所長は、「今回の研究協定は、ボストン・韓国R&Dプロジェクトに向けた重要なターニングポイントになる」と述べ、より効率的かつ実用的な国際研究協力の実現に期待を示した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部