2023年10月
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水素電気自動車の燃料電池の性能を大幅に向上 韓国

韓国の高麗大学校(Korea University)大学院機械工学科のシム・ジュンヒョン(Shim Joon Hyung)教授率いる研究グループが、水素電気自動車の燃料電池の性能を2倍以上向上させる画期的な技術を開発した。9月15日付発表。この研究成果は、ACS Sustainable Chemistry & Engineeringに表紙論文として掲載された。

環境に優しい未来の車として脚光を浴びている水素電気自動車であるが、エネルギー源である固体高分子形燃料電池(PEMFC)に高価な白金触媒が大量に使われることが、商業化と大衆化の障害となっている。

シム教授の研究チームは、白金担体を高活性の酸化セリウムでコーティングすることにより、PEMFCの触媒性能と出力を大幅に高めることに成功した。これにより、白金触媒の使用量は同じでも、燃料電池の性能を2倍以上に高めることができる。

また、商業用の水素電気自動車の燃料電池にとっては、長期的な耐久性が非常に重要となるが、研究チームが開発した酸化物処理工程は、全体的な耐久性に重要な影響を与えないことが確認された。

シム教授はこの研究の重要性について、「同じ量の白金を使って性能を2倍に高めることができれば、水素自動車のスタック価格を30%以上、下げることができる。我々の研究結果は、水素電気自動車と燃料電池の商業化に向け、大きな助けになる」と説明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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