2023年11月
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大脳皮質のような構造を持つ高性能な伸縮可能電極開発 韓国

韓国の高麗大学校(Korea University)工学部化学・生物工学科(Department of Chemical and Biological Engineering in the College of Engineering)のチョ・ジンハン(Cho Jin-han)教授のグループが、大脳皮質のような表面構造を持ち、高い導電性と広い表面積、機械的安定性を示す、伸縮可能な電極の開発に成功した。10月6日付発表。研究成果は学術誌Nano Energyにオンラインで報告された。

伸縮可能な電極は、ウエアラブルデバイスや電子皮膚など、柔軟性を持つ次世代電子デバイスの開発で必要とされている。しかし、従来の作製方法では、高い導電性と機械的安定性を両立させることは困難であった。

チョ教授らは、有機溶剤中で膨張したエラストマー上で金属ナノ粒子を強力に化学結合させた後、アルコール中で収縮させることにより、大脳皮質のようにしわの寄った柔軟な導電体を作製した。この導体を薄いニッケル層で電気めっきした電極は、金属のような導電性とエラストマーのような伸縮性、微細構造による広い表面積を持つ。

同グループはこの電極を用いて高性能な摩擦帯電ナノ発電機(triboelectric nanogenerator)を作製することに成功した。チョ教授は「伸縮可能な電極の商用化の壁となっていた限界を克服したことで、次世代の電子デバイスの開発に大きく貢献できるだろう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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