韓国の光州科学技術院(GIST)のキム・スンジュン(Kim SeungJun)教授率いるチームが、自動運転車に搭載されている人工知能(AI)が下す複雑な決定を、乗員に分かりやすく説明する技術を開発した。11月13日付発表。この研究成果は、ユビキタスコンピューティング分野のトップ国際会議「UbiComp 2023」で発表された。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピューター科学・人工知能研究所(Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)との共同研究。自動運転のように安全性が重要となる環境では、AIの信頼性を高めるために、判断理由を解釈し、説明することが可能なディープラーニング技術が求められる。既存のアルゴリズムは、開発者やAI専門家を中心に設計されているため、自動運転車の乗員による道路・運転状況の認識を支援するのには限界があった。

研究チームは、生体センサーを使って自動運転車の乗員による道路状況の認識レベルを評価し、それに応じて自動運転状況を可視化して、乗員が理解できるような形で複雑なAIモデルの意思決定を説明する技術を開発した。

この研究成果は、車両インターフェースヘッドアップディスプレイなどの先進的な自動車用電子機器の設計への応用が期待される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部