韓国の浦項工科大学校(POSTECH)の研究者らが、無機材料での造形を容易にする画期的な3Dマイクロプリンティング技術を開発した。2月7日付発表。
この技術は、金属や半導体、磁石、酸化物など幅広い機能性無機材料に利用できることが示された。特に微小電気機械システム(MEMS)などの電子部品の製造において、従来のコストと時間を要するプロセスに取って代わる可能性があると期待される。
3Dマイクロプリンティングは、小型部品やセンサーの次世代製造技術を代表する最先端技術である。しかし、特に金属などの無機材料を使用する場合、従来の技術では、ナノサイズの粒子を制御し構造を維持することが困難であった。
研究チームはこの課題に取り組むため、リンカーイオン(linker ions)として遷移金属カチオンを採用した。無機ナノ粒子をリンカーイオン漕(bath)内に堆積(deposit)させたところ、これらのイオンは、分散した無機ナノ粒子間の相互結合ネットワークを形成させ、全体の構造を維持しながら迅速に固形化することを可能にした。さらにチームは、10マイクロメートル未満の多孔質構造を作製することに成功し、従来のマイクロプリンティングの限界を克服し、特別な装置を用いずに無機材料のプリンティングを行えることを示した。
(出典:POSTECH)
POSTECH化学工学科のソン・ジェソン(Son Jae Sung)教授が率いるチームと、韓国科学技術研究院(KIST)のキム・ジンヨン(Kim Jin Young)博士が率いるチームの共同研究の成果であり、論文は学術誌Nature Communicationsに発表された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部