韓国科学技術情報通信部(MSIT)は1月29日、昨年12月に国会で承認された2024年度予算案において総額5兆ウォンに上る「重要新興技術(Critical and Emerging Technologies:CET)」予算が確定したと発表した。2023年度の4.7兆ウォンから3,000億ウォンの増額となった。
主要な国家研究開発(R&D)プロジェクトに対する2024年度予算は、革新的なR&Dへの集中投資と未来のリーダー育成を強化しつつ、R&Dにおける非効率性を抜本的に解消し、不採算プロジェクトの再編を目指すという尹政権の理念に沿って編成された。特に多くの予算が投じられたのは、主要産業の次世代成長ドライバーと「超格差(super-gap)」技術を確保するために、2022年に策定された12分野のCETである。
CETのうち主要な7分野の2024年度予算額と主な方向性は以下の通り。
- 半導体(6,362億ウォン):国際協力の拡大と半導体産業エコシステムの強化に向け支援を拡大。最先端パッケージングやAIチップ開発など、超格差半導体技術の開発を促進。
- 人工知能(AI)(7,772億ウォン):次世代コア技術への投資を拡大し、課題への取り組みと独自技術の確保を支援。
- 先端バイオテクノロジー(9,772億ウォン):合成生物学や細胞・遺伝子治療など、バイオ分野の将来の成長ドライバーとなりうる有望な技術の確保に向けた投資を強化。
- サイバーセキュリティ(1,904億ウォン):国内サイバーセキュリティ能力を強化し、国内外の協力基盤を確立。
- 量子技術(1,252億ウォン):野心的な研究に投資し、人材育成と国内外の協力基盤の確立に注力。
- 二次電池(1,364億ウォン):二次電池の循環型経済を育成するための技術を確保し、国内サプライチェーンの安定化を図る。
- 宇宙(8,362億ウォン):宇宙安全保証の強化と自立した宇宙産業エコシステムの構築を支援。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部