2024年07月
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国家バイテクノロジー研究開発計画を審議 韓国MSIT

韓国科学技術情報通信部(MSIT)は6月28日、科学技術に関する大統領諮問委員会(Presidential Advisory Council on Science and Technology)に設置されたバイオテクノロジー特別委員会(以下「バイオ委員会」)の第16回会議の内容を公表した。

バイオ委員会は2016年の発足以来、国家バイオ研究開発の司令塔として、省庁横断的なバイオ研究開発政策の監督・調整を担っている。

会議では、以下の3つの計画・戦略が取り上げられ、各計画の2023年度実績の報告と2024年度実施計画の審議が行われた。

  • 第3次生物資源管理利用国家計画
  • 第3次感染症危機対応国家研究戦略
  • 第3次保健医療技術促進基本計画

生物資源管理利用国家計画については、2024年は前年比約10.7%増の総額2025億ウォンを投じて、バイオ研究データの活用基盤の確立と強化を目指すともに、精密医療産業の革新に向け、臨床データやゲノムデータを含むバイオビッグデータの構築に取り組む。また、バイオ素材情報を集約したバイオ素材情報統合プラットフォーム(BioOne)の正式運用を開始し、バイオ素材の利用を促進する。

感染症危機対応国家研究戦略の2024年度実施計画には、約2667億ウォンを投じる。ワクチンや治療薬を短期間で開発するための研究開発ロードマップの確立に重点を置き、感染症の臨床研究やワクチンの安全開発のためのセンターなどの研究インフラを拡充するほか、国際協力の強化にも努める。

「健康な韓国のためのヘルスケア4.0時代」というビジョンの実現を目指す保健医療技術促進計画については、2024年は前年比3.7%増の総額2兆2097億ウォンが投じられる予定で、国内の主要研究開発全体の約10%を占める規模となる。薬物中毒問題や高齢者・障害者の生活の質の向上、少子化克服のための不妊治療技術の開発など、社会問題に対応するための研究開発に積極的に投資し、米国の医療高等研究計画局(ARPA-H)をモデルにした韓国版ARPA-Hプロジェクトなどを推進する。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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