2024年08月
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生成AIで子どもの発達に合わせた言語学習システムを開発 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学校(POSTECH)は7月26日、梨花女子大学校(Ewha Womans University)との共同研究チームが、生成AI(人工知能)と家庭用IoT(モノのインターネット)を利用して、言語習得中の子ども一人一人に合わせてパーソナライズされた物語本を生成する革新的なシステムを開発したと発表した。この研究成果は、ヒューマンコンピューターインタラクションの主要な学会である「ACM CHI(ACM SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems)」で発表され、応募論文の上位5%に授与される「Honorable Mention Award」を受賞した。

(出典:POSTECH)

POSTECHのコンピューター科学・工学科(Department of Computer Science and Engineering)のハン・インソク(Hwang Inseok)教授らの研究チームはまず、家庭用IoTデバイスを用いて、子どもたちが日常生活で聞いたり話したりする言葉を収集してモニタリングすることから始めた。そして、話者分離と形態素解析の手法により、子どもたちが接した語彙、話した語彙、聞いたが発声しなかった単語を調べ、言語病理学に関連する主要な要素に基づいて各単語のスコアを計算し、評価した。

パーソナライズされた教材を作成するために、研究チームはGPT-4やStable Diffusionなどの高度な生成AI技術を活用し、子どもの言語発達のばらつきに対応できるように設計された言語学習システムを開発した。このシステムは、子供一人一人の目標語彙の抽出と物語本の作成の両方を自動化することができ、子供の言語発達と環境の変化に応じて継続的に目標語彙と本の内容を更新する。

このシステムを9家族で4週間にわたってテストした結果、子どもたちは目標語彙を効果的に学習し、このシステムが日常的な場面でも応用可能であることが実証された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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