韓国科学技術院(KAIST)は10月29日、イ・ゴンジェ(Lee Keon Jae)教授率いる研究チームが肌のハリ改善に効果のある深部皮膚刺激LEDマスクを開発したと発表した。この研究成果は、学術誌Advanced Materialsに掲載された。
顔面密着型の表面照明マイクロLED(FSLED)マスクの全体コンセプト
A. FSLEDマスクの概略図
B. 2Dから3Dへの変換手順
C. FSLEDマスクと従来のLEDマスクの肌深部の弾力、しわ、たるみに対する美容効果の違い (8週間での改善率)
(出典:KAIST)
従来のLEDマスクは硬い構造のため、皮膚の輪郭に密着できなかった。この制約により、2センチメートルの距離では最大90%の光が反射してしまい、光の浸透が妨げられ、効果的な肌の若返りに不可欠な深部皮膚層への刺激が制限されていた。
こうした課題に対処するため、研究チームは、真皮に均一な光刺激を与えることができる顔面密着型の表面照明マイクロLED (FSLED)マスクを開発した。3770個のマイクロLEDと柔軟な表面光拡散層を組み込んだ3D折り紙構造により、光源と皮膚の隙間を最小限に抑え、深部皮膚組織へ均一な光を届けることを可能にした。
33人が参加した臨床試験では、従来のLEDマスクに比べて皮膚の深部の弾力性が340%改善し、肌のしわ、たるみ、老化を大幅に改善する効果が実証された。
イ教授によれば、この製品はKAISTのスタートアップ企業フロニクス(Fronics)によって製造され、韓国の化粧品メーカー、アモーレパシフィックの販売網を通じ11月から世界的に販売される予定という。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部