韓国科学技術院(KAIST)は4月10日、K-POPアーティストでKAIST機械工学科客員教授でもあるG-DRAGON(本名:Kwon Ji-yong)氏と、文化工学大学院のイ・ジンジュン(Jinjoon Lee)教授によるコラボレーションで、G-DRAGON氏の音楽と虹彩データを宇宙に送信するメディアアートと衛星技術を融合した宇宙音源伝送プロジェクトを成功させたと発表した。
宇宙研究所の13mのスペースアンテナに映し出されたイ・ジンジュン教授のオープン・ユア・アイズ・プロジェクト「Iris」の映像
本プロジェクトは、KAISTとギャラクシー(Galaxy)社が共同推進するAIエンターテック研究センターの事業の一環として進められ、KAISTの最先端宇宙技術、イ教授のメディアアート作品、そしてG-DRAGON氏の最新シングル「HOME SWEET HOME」の音源を活用し、宇宙に向けて発信する新しいタイプの文化コンテンツの実験となった。
プロジェクトは「人間の内宇宙を外宇宙へと広げる感情信号」をテーマに企画され、G-DRAGON氏の虹彩イメージを彼の唯一性とアイデンティティを象徴する魂の窓としてAIによって拡張し、その感情の波動を含むオーディオメッセージとして「HOME SWEET HOME」と組み合わせている。完成した作品はKAIST宇宙研究所が開発した次世代小型衛星を使って実際に宇宙に送信され、パフォーマンスとして完成した。
また、イ教授はG-DRAGON氏の虹彩のイメージをもとに、AI生成技術を用いて映像作品「Iris」を作成し、プロジェクションマッピングでKAIST宇宙研究所のスペースアンテナに投影するイベントを実施した。
文化工学大学院 イ・ジンジュン教授(左)と機械工学科客員教授G-DRAGON氏
イ教授は「虹彩は、内面的な感情やアイデンティティを映し出すシンボルです。この作品ではG-DRAGON氏の視線を通して人間の内面から見た無限の宇宙を表現しました」と語った。ギャラクシー社のチーフ・ハピネス・オフィサー(CHO)のチェ・ヨンホ(Yong-ho Choi)氏は「このプロジェクトは、人類の遺産として音楽を残すと同時に、宇宙とのコミュニケーションを試みるという重要な意味を持っています」と述べた。
G-DRAGON氏の「Home Sweet Home」がイ・ジンジュン教授の宇宙音源伝送プロジェクトによって宇宙に送られる写真
(出典:いずれもKAIST)
本プロジェクトを通じて、KAIST宇宙研究所は衛星技術活用の新たな可能性を提示し、科学が社会とより広くつながるモデルを示した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部