韓国科学技術情報通信部(MSIT)は5月19日、国産人工知能(AI)半導体を活用した「K-Cloud技術開発プロジェクト」の初年度実施機関として、17のコンソーシアムを選定したと発表した。
本プロジェクトは、国産AI半導体を基盤とするAIコンピューティングインフラ構築のための中核技術を開発するもので、2025~2030年の6年間で4031億ウォン(政府資金3426億ウォンを含む)が投じられる。
研究開発は次の3領域で行われる。
初年度は全28課題のうち17課題が公募され、59機関が参画。うち産業界が62.7%を占める。
全体統括は、韓国のファブレス企業によるハイパーアクセル・リベリオンズコンソーシアムが担い、AIワークロードに応じた資源配分が可能な次世代コンポーザブルサーバー(AIワークロードに応じて計算資源を柔軟に割り当て、利用効率を最大化するサーバー技術)の開発を主導する。ソフトウェア分野は、モレ(Moreh)社が率いるコンソーシアムが担当し、国内半導体に広く対応するオープンソースの基盤ソフトを開発し、米国のUnified Acceleration(UXL)財団と連携する。またクラウド分野では、韓国電子通信研究院(ETRI)、韓国電子技術研究院(KETI)、韓国クラウド産業協会が参加。特定のクラウド事業者に依存しない技術開発を進める。
構成機関には、ディノティシア(Dnotitia)社、ラブラップ(Lablup)社、ソウル国立大学、延世大学、ネイバークラウド(NAVER Cloud)社などが含まれる。
MSITは2030年までに、国内のAIコンピューティング性能を世界トップ3水準にまで高めることを目標とし、将来的には韓国製AI半導体1万台を搭載したハイパースケールデータセンター構築に必要な技術の確保を目指す。
MSITの情報通信技術産業政策局長であるパク・テワン(Park Tae-wan)氏は「今年は追加の494億ウォンを含め、総額2423億ウォンを投資する予定です。韓国独自のAIコンピューティング基盤を確立し、国際競争力を高めていきます」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部