2025年11月
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SOEC焼結を従来の6時間から10分へ、超高速手法開発 KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は10月29日、固体酸化物形電解セル(SOEC)の焼結工程を従来の6時間から10分に短縮し、高性能セルを製造できる超高速手法を開発したと発表した。研究成果は学術誌Advanced Materialsに掲載された。

イ・カンテク(Kang Taek Lee)教授(右)と研究チームメンバーら

SOECは高温で作動し、セラミック電解質の焼結品質が性能と寿命を左右する。従来法では1400℃以上で長時間加熱する必要があったが、KAIST機械工学科のイ・カンテク(Kang Taek Lee)教授の研究チームは、マイクロ波による体積加熱技術を適用し、内部から均一に加熱することで、1200℃で10分の焼結を実現した。また従来の方法ではセリア(CeO2)とジルコニア(ZrO2)が過度に混ざり合い、品質が低下する傾向が見られたが、この方法ではその問題も回避され、緻密な二層構造を形成し高品質のセルを得ることができた。

従来は加熱・保持・冷却を含めて36.5時間を要していたが、新手法では全工程が70分で完了し、処理時間を30倍以上短縮している。得られたセルは750℃で毎分23.7mLの水素を生成し、250時間以上の安定動作を示した。3Dデジタルツイン解析からは、超高速マイクロ波加熱によって電解質密度を向上し、燃料極内酸化ニッケル(NiO)粒子の異常粒成長を抑制することで性能が向上することが確認された。

同教授は「本研究は、高性能SOECを迅速かつ効率的に製造できる新しい製造パラダイムを示すものです。従来法と比べてエネルギー消費と製造時間を大幅に削減でき、商業化への大きな可能性を秘めています」と述べた。

(出典:いずれもKAIST)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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