韓国の光州科学技術院(GIST)は1月22日、GISTの研究者らが次世代2次元半導体材料について、試料を破壊することなく単結晶品質を正確に判定できる非破壊分析技術を開発したと発表した。研究成果は学術誌Nano Lettersに掲載された。
現在、半導体産業の主力材料であるシリコン(Si)は微細化の進展により性能や効率の維持が難しくなり、消費電力の増加も課題となっている。このため、原子1層の厚さでも優れた電気的・光学的特性を示す2次元半導体がポストシリコン時代の有力材料として注目されている。
代表的な2次元半導体材料である二硫化モリブデン(MoS2)は、シリコンの物理的限界を克服する鍵として注目されている。その優れた性能を発揮するためには、すべての原子が同一方向に配列した完全な単結晶状態を維持する必要がある。しかし、見た目は単結晶に見えても、原子配列が180度反転した偽結晶が混在する場合が多く、これが電子輸送を妨げ、性能や信頼性を低下させる原因となっている。
研究チームは、低エネルギー電子回折(LEED)法に着目し、電子線エネルギーを変化させた際の回折パターン強度の変化を精密に解析する手法を確立した。これにより、試料を損傷することなく、真の単結晶と配向の異なる結晶が混在した試料を定量的に識別できることを示した。
本手法は、単層2次元半導体の構造特性と多重電子散乱効果を考慮した新たな評価基準を提示した点に特徴がある。ウエハ全体の単結晶品質をX線のように一目で評価できるため、次世代2次元半導体量産における歩留まり向上への貢献が期待される。
イム・ヒョンソブ(Hyunseob Lim)教授は次世代半導体を産業応用するには、大規模合成技術と信頼性の高い評価技術の両立が不可欠であり、今回の非破壊分析法は、研究室段階の成果を産業現場のウエハプロセスへと橋渡しする重要な技術になると強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部