韓国科学技術院(KAIST)は1月30日、高効率かつ超高解像度の赤色マイクロLEDディスプレイ技術を開発したと発表した。研究成果は学術誌Nature Electronicsに1月20日付で掲載された。

KAIST電気工学部のキム・サンヒョン(Sanghyeon Kim)教授(囲み左)と研究チームメンバーら
マイクロLEDは、髪の毛よりも細いLEDが自ら発光する次世代ディスプレイ技術であり、明るさや寿命、エネルギー効率で有機発光素子(OLED)を上回るとされる。一方で、赤色マイクロLEDは、ピクセルサイズの縮小に伴うエネルギー漏れにより効率が低下すること、また微小なLEDを1つずつ機械的に配置する従来の転写プロセスでは超高解像度化が難しく、不良率が増加することが課題であった。
KAIST電気工学部のキム・サンヒョン(Sanghyeon Kim)教授らの研究チームは、AlInP/GaInP量子井戸構造を採用した。量子井戸と障壁の構造により電子と正孔を井戸層内に閉じ込め、キャリア漏れを抑制する。正孔濃度の高い量子井戸を用いることで、ピクセルサイズが小さくなってもエネルギー損失を低減し、より高効率な赤色マイクロLEDを実現した。
さらに、個別転写の代わりにLED層を駆動回路上に直接積層するモノリシック3次元(3D)集積技術を導入した。これにより位置合わせ誤差を最小化し、欠陥率を低減しながら超高解像度ディスプレイの安定的な製造を可能にした。回路への損傷を防ぐ低温プロセスも開発したという。その結果、現在の主流スマートフォンの約3~4倍に相当する1700PPIクラスの超高解像度マイクロLEDディスプレイの実証に成功した。
同教授は「この研究は、マイクロLEDにおける赤色ピクセルの効率と回路集積という長年の課題を同時に解決するものです。今後も次世代ディスプレイプラットフォームとしての実用化に向けて発展させていきます」と述べた。

Results of Red Micro-LED Performance Improvement

Monolithic 3D MicroLED-on-Si Display

Monolithic 3D Direct Technology (AI-generated image)
(出典:いずれもKAIST)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部