韓国科学技術情報通信部(MSIT)は3月16日、小型モジュール炉(SMR)の開発促進と支援に関する特別法案が国会本会議を2月12日に通過したと発表した。
韓国ではこれまで、大型原子炉を前提とした制度が中心で、SMRを専門に支援する法的枠組みが不足していた。今回の法案は、国会科学技術情報通信放送委員会に提出されていた3本の関連法案を一本化したもので、政策の一貫性を高める基盤になる。法案には、5年ごとの基本計画と毎年の実施計画の策定、原子力委員会(AEC)の下にMSIT長官を委員長とするSMR開発推進委員会を設置、関連制度の継続的な見直しが盛り込まれた。
また、民間企業や研究機関による研究開発と実証を支援し、用地確保や資金、研究設備の利用を後押しする。複数企業による共同研究体制や官民出資企業の設立支援、大学や研究機関、企業が集積する地域の「SMRシステム研究開発特別区」指定も可能になる。あわせて、人材育成機関への支援、国際原子力機関(IAEA)などとの国際協力、社会的受容の向上に向けた広報や教育も進める。
法案は今後、閣議と大統領承認を経て公布され、公布から6カ月後に施行される。MSITは施行前に下位法令を整備し、施行後1年以内に第一次基本計画を策定する方針だ。ペ・ギョンフン(Bae Kyunghoon)副首相兼MSIT長官は、今回の成立はAI時代の重要エネルギー源であるSMR開発を加速し、韓国を世界的リーダーに位置付けるための意義深い成果だと強調した。韓国ではAIやデータセンターによる電力需要の増加とカーボンニュートラル達成の必要性を背景に、SMRが無炭素エネルギー源として注目されている。MSITは2030年代の世界SMR市場で主導的地位を確保するため、研究開発と実証を体系的に進める方針だ。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部