2026年05月
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溶媒・バインダー不要の乾式電極でリチウム硫黄電池の量産化に道 韓国・高麗大学校

韓国の高麗大学校(KU)は4月6日、同大学と米国のアリゾナ州立大学の研究者らが、溶媒やポリマーバインダーを用いずに硫黄/炭素複合正極を製造する乾式プロセスを開発し、次世代リチウム硫黄電池の量産化に向けた解決策を示したと発表した。研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。

リチウム硫黄電池は、エネルギー密度がリチウムイオン電池の3~5倍と高く、原料である硫黄が豊富に存在することから低コスト化が期待され、ドローンや航空分野など将来のモビリティ用途で注目されている。一方で、従来はスラリー方式の湿式コーティング法を用いるため、製造プロセスが複雑でコストが高いという課題があった。

こうした課題に対し、KUのユ・スンホ(Yu Seung-ho)教授と、米国のアリゾナ州立大学のユン・ファ(Yoon Hwa)教授らの研究チームは、加熱により軟化して粘着性を示す硫黄の特性に着目した。アルミニウム製集電体上に硫黄/炭素複合粉末層を形成し、加熱後に高圧で圧縮する熱支援型乾式ロールプレス法を適用することで、バインダーを用いずに電極を形成した。硫黄は活物質であると同時に結着材としても機能する。

X線による三次元構造解析や電気化学評価の結果、約80℃で作製した電極が顕著に優れた性能を示した。従来の湿式プロセスに比べて内部構造がより均一で、電解液の浸透性も高く、電池寿命の延長と安定した性能が確認された。また、溶媒や特別な集電体を必要とせず、電池製造で広く用いられる標準的なアルミニウム箔をそのまま利用できるため、高速量産技術であるロール・ツー・ロール工程との高い適合性を有する。

本技術は、環境負荷低減、経済性、量産適性という実用化に不可欠な要素を同時に満たすものであり、リチウム硫黄電池の実用化および商業化に向けた極めて重要な成果である。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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