2026年05月
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アルツハイマー病関連タンパク質タウが染色体と微小管を結ぶ新機構を解明 韓国POSTECH

韓国の浦項工科大学(POSTECH)は4月9日、同大学の研究者らが細胞分裂において染色体と微小管を結びつける新たな仕組みとして、タウとDNAが形成するコンデンセート(液滴状構造)の役割を明らかにしたと発表した。研究成果は学術誌Nature Communicationsに掲載された。

(出典:POSTECH)

細胞分裂では、染色体が紡錘体微小管と呼ばれる微小管の束に捕捉され、2つの娘細胞へ均等に分配される。この過程の正確性は生体機能の維持に不可欠であり、わずかな異常でも細胞異常につながる。タウは従来、神経細胞において微小管を安定化するタンパク質として知られ、アルツハイマー病では異常凝集が報告されているが、DNAとの相互作用の機能は明らかでなかった。

本研究では、単一DNA分子を用いた解析により、タウがDNAに結合してコンデンセートを形成し、DNA鎖上を自由に移動しながら近傍のDNA鎖を引き寄せる性質を持つことが示された。さらに高解像度蛍光イメージングにより、これらのタウ-DNAコンデンセートが微小管を捕捉する付着点として機能することが確認され、この現象は試験管内だけでなく生細胞内でも観察された。本成果は、不妊症や先天性疾患の研究に新たな視点を提供するほか、アルツハイマー病を含む神経変性疾患の理解の深化にも寄与することが期待される。

また、タウのリン酸化がこの過程に影響することも明らかとなった。アルツハイマー病で見られるリン酸化状態のタウを発現させた場合、細胞分裂時に染色体の整列異常が生じ、タウのわずかな変化が分裂の正確性に影響する可能性が示唆された。

本研究を主導したPOSTECH物理学科のミンジュ・ソン(Minju Shon)教授は、「タウは微小管だけでなくDNAとも直接相互作用し、両者を結びつける可能性があります。さらに、染色体が紡錘体微小管と結合する初期段階にも関与している可能性があります」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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