2026年05月
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2nm半導体より小さいDNA分子コンピューターを実現 韓国KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は4月22日、同院の研究チームが、従来の半導体デバイスよりも小さいスケールで動作し、同一システム内で情報処理と記憶を同時に行うDNAベースの分子回路を実現し、トランジスターに相当する機能を実証したと発表した。研究成果は学術誌Science Advancesに掲載された。

チェ・ヨンジェ(Yeongjae Choi)教授(左)と研究チームメンバー

半導体技術が物理的限界に近いとされる2ナノメートル(nm)スケールに迫る中、従来のシリコンベースのシステムを超える新たな計算パラダイムの探索が進められている。DNAは相補的な塩基対形成を利用することで、特定の入力に応答するよう精密にプログラムできる特性を持つ。さらに、隣接する塩基間の距離はわずか0.34nmであり、超高密度情報処理に適した材料である。

従来のDNA回路は、がん関連物質の存在を検出するなど単純な用途に主に用いられてきたが、反応が一度起きるとシステムが消費されるため再利用できず、連続的または複雑な情報処理を行うことが困難であった。

KAIST工学生物学大学院のチェ・ヨンジェ(Yeongjae Choi)教授が率いるチームはこの課題に対し、入力信号に応じて結合の構造を変化させつつ、その状態を維持するDNA分子を設計した。このシステムでは、形成された分子構造が効果的に情報を保持し、その後の動作に影響を与える。これにより、外部からの初期化工程を必要とせず、過去に処理した情報を保持したままリアルタイムで情報処理を行う「リセット不要」の分子回路を実現した。また、信号を受け取り、計算を行う半導体の基本要素であるトランジスターに相当する機能をDNA分子レベルで実証した。本成果はバイオや医療分野、特に疾患診断への応用が期待される。

Illustration of a DNA-based nanoscale bio-memory circuit capable of low-power operation
(出典:いずれもKAIST)

同教授は「本研究はDNAを用いた分子コンピューターの実現可能性を前進させるものです。バイオコンピューティングおよび医療技術の双方において新たな方向性を開く可能性があります」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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