韓国の漢陽大学校は5月7日、同大学半導体融合工学科の研究者らが、人工知能(AI)半導体の消費電力と発熱の問題の解決に向け、次世代のガラス基板シリコン窒化物(SiN)集積フォトニックプラットフォームを開発したと発表した。研究成果は学術誌Optics Expressなどに掲載された。
研究を率いる半導体融合工学科半導体・ディスプレイ工学専攻のキム・ヨンヒョン(Kim Young-hyun)教授は、AI技術の発展で生活は便利になった一方、爆発的なエネルギー消費という社会的コストが生じていると指摘する。銅配線に基づく通信システムではエネルギー危機を避けることは難しく、光を用いることで、AI半導体チップのエネルギー消費と発熱を解決できるという。
同教授が率いるAIセミコンダクタ・ドライビング・ラボラトリー(ASDL)は、ガラス基板上の光デバイスを設計・製造・評価・分析する光パッケージング基盤技術を持つ。研究チームは2025年11月、ガラス基板上の次世代光再配線層「SING(ガラス上の窒化ケイ素フォトニクス)プラットフォーム」を世界で初めてウエハーレベルで実証した。SiNと金属反射鏡を用い、既存技術の10倍以上の高集積密度と106Gbpsの超高速伝送性能を示した。海外に依存してきた光ファウンドリ技術の国産化の可能性を開く成果で、関連企業への5億ウォン規模の技術移転も完了した。
本研究のより大きな意義は、参加研究者がそれぞれ担当した要素技術を開発し、国際学術誌への掲載に成功した点にある。例えば、フォトニクス・ナノエレクトロニクス学科博士課程のジン・テウォン(Jin Tae-won)氏が主導した高密度光再配線層に関する研究は、光学・フォトニクス分野の学術誌Optics Expressに掲載された。
同教授は、優れた技術者の育成も重要な使命だとし、研究者には産業界に貢献できる研究を常に求めていると語る。同教授自身も模範を示す形で2025年8月YKフォトニクス社を創業した。韓国内の商用光ファウンドリ基盤不足を背景に、持続可能なAI時代に向けて効率的な光通信技術の産業定着を目指している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部