2026年06月
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AIで世界最高水準の高効率熱電材料3種を発見 韓国・高麗大学校

韓国の高麗大学校(KU)は5月11日、KUと韓国科学技術院(KAIST)、韓国のハンバッ大学校の研究者らが、人工知能(AI)の能動学習を用いて、世界最高水準の効率を持つ高エントロピーカルコゲナイド熱電材料(HECs)を開発したと発表した。研究成果は学術誌Advanced Materialsに掲載された。

熱電材料は温度差を電気エネルギーに変換する材料で、世界のエネルギー消費の最大70%を占める廃熱の再利用に向けた重要な技術とされる。一方、性能向上のため複数の元素を混合する高エントロピー材料(HEMs)では、膨大な組み合わせから最適な元素比を見いだすことが、従来手法では事実上不可能だった。

KU材料科学工学科のキム・ヨンジュ(Yong-joo Kim)教授、KAIST材料科学工学科のチョン・ヨンシク(Yeon-sik Jung)教授、ハンバッ大学校材料科学工学科のオ・ミンウク(Min-wook Oh)教授らの共同研究チームは、ベイズ最適化に基づくクローズドループ実験フレームワークを構築した。AIモデルは、物理情報を取り入れた特殊な記述子である平均品質係数を学習指標とし、次の実験で最も有望な候補組成を自律的に提案する。能動学習は、AIが全データセットから学ぶのではなく、性能向上に最もつながる可能性が高いデータを自ら選んで学習する方法である。

その結果、研究チームは全候補組成1万6206種の0.5%に当たる80試料のみを合成・試験し、熱電性能指数が2.0を超える新しいHEMsを3種発見した。これは従来の新材料開発手法と比べ、探索効率が十数倍向上したことを示す。熱電性能指数は材料の熱電変換効率を示す指標で、値が高いほど性能が優れ、2.0以上は商業化が可能とみなされる。

キム教授は「本研究は、AIが単にデータから学習するだけでなく、物理原理に基づき、専門の実験研究者でさえ見落とす可能性のある最適な元素の組み合わせを提案できることを示しました。限られた専門知識しか持たない研究者でも、AIの助けを借りて複雑な新材料を設計できる道を開きました」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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