2026年07月
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室温水でAI半導体を直接冷却、効率10倍の新技術 韓国KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は6月16日、同院の研究者らが、室温の水で高熱流束の半導体チップを直接冷却する高効率の液体冷却技術を開発したと発表した。研究成果は学術誌Energy Conversion and Managementに掲載された。

(左から)キム・ソンジン(Sung Jin Kim)教授、イ・イクジン(Ikjin Lee)教授、イ・ヨンジン(Young Jin Lee)氏、イ・ハンソル(Hansol Lee)氏、ファン・チョルヒョン(ChulHyun Hwang)氏

人工知能(AI)データセンターでは、AI計算に加え、発熱する半導体チップの冷却にも多くの電力が必要となる。AIチップの高性能化に伴い発熱量も急増し、従来の空冷方式や外付けの銅製ヒートスプレッダーは限界に近づいている。

研究チームを率いたのは、KAIST機械工学科のキム・ソンジン(Sung Jin Kim)教授とAI・コンピューティング学部のイ・イクジン(Ikjin Lee)教授である。研究チームは、人間の髪の毛より細い液体冷却流路をシリコン半導体チップ内部に直接埋め込み、2000W/cm2を超える発熱条件でもチップ温度を100℃未満に保つことに成功した。

研究チームが注目したのは、マニホールドマイクロチャネル(MMC)構造である。従来のマイクロチャネル冷却では、冷却液がチップの一端から他端まで長い流路を通るため流体抵抗が大きく、大きなポンプ動力が必要だった。今回の構造は、複数の入口から冷却液を分配し、複数の出口で回収して流路を短くし、流体抵抗と必要なポンプ圧を下げる。さらに、全てのマイクロチャネルに冷却液が均一に流れるよう構造を最適化した。

研究画像
(AI生成) (出典:いずれもKAIST)

実際のシリコン半導体チップ上で検証した結果、同じ温度上昇条件で、冷却システムは106000の成績係数(COP)を達成した。これは2020年にNatureで報告された従来の世界最高水準、約10000の約10倍に当たり、同じ熱量を除去するのに必要なポンプ動力を約10分の1に抑えられることを意味する。相変化冷却やナノスケール表面改質、ダイヤモンドなどの高価な材料に依存せず、通常の室温水を用いた点も特徴だ。

共同筆頭著者は、KAIST機械工学科のイ・ヨンジン(Young Jin Lee)氏、ファン・チョルヒョン(ChulHyun Hwang)氏、イ・ハンソル(Hansol Lee)氏である。キム教授は「AI半導体や先端電子パッケージングの性能が熱によって制約される中、この技術が将来の高性能計算システムの基盤的な冷却ソリューションになると期待しています」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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