2026年07月
トップ  > 韓国科学技術ニュース> 2026年07月

AI悪用リスクや安全性評価、アンソロピック社と提携 韓国MSIT

韓国科学技術情報通信省(MSIT)は7月2日、人工知能(AI)の悪用リスクや安全性の評価、サイバーセキュリティー分野で協力するため、世界的なAI研究開発企業アンソロピック(Anthropic)社と了解覚書(MoU)を締結したと発表した。

本MoUに基づき、MSITはアンソロピック社と連携し、AIがサイバー攻撃と防御に及ぼす影響の分析、韓国語環境におけるAIモデルの安全性と悪用リスクの評価、自律型AIエージェントについて攻撃者の視点で弱点を検証するレッドチーム評価を進める。2026年2月にインドで開かれたIndia AI Impact Summit 2026で、ペ・ギョンフン(Bae Kyung-hoon)副首相兼科学技術情報通信相が、アンソロピック社のダリオ・アモデイ(Dario Amodei)CEOと協力策を協議したことを受けた後続措置である。

アンソロピック社は6月17日、日本、インド、オーストラリアに続くアジア4番目の拠点として韓国事務所を正式に開設した。MSITは、韓国のAI技術力と産業エコシステムが、世界市場で魅力的な戦略的立地であることを示すとしている。

韓国政府はこれまで、AIインフラの中核を担うエヌビディア(NVIDIA)社、最先端AIモデルで知られるオープンAI(OpenAI)社、世界有数の研究力を持つGoogle DeepMind社と提携してきた。安全性と信頼性を重視するアンソロピック社が加わることで、AIインフラ、技術、安全にまたがる「グローバルAI協力ベルト」を広げ、韓国をグローバルAI環境の主要なパートナー国に位置付ける狙いだ。

MoU締結後、MSITのイ・ドギュ(Lee Do-kyu)ICT政策室長は、アンソロピック社のクリス・シアウリ(Chris Ciauri)国際担当マネージングディレクターと会談した。両者は、韓国AI安全研究所(AISI)とアンソロピック社がAIモデルと自律型AIエージェントの安全性評価で協力することや、金融分野を含むAI脆弱性の特定、サイバー脅威に関する専門知識と情報の共有で連携することに合意した。

同室長は「世界のAI市場では、今後2~3年がAI主導権を決める勝負どころであり、黄金の時間です。今回の協力は、安全とセキュリティーという強固な基盤の上に韓国のAIイノベーションを広げ、活力を加える推進力になります」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

  • アジア・太平洋総合研究センター
  • Science Japan
  • 客観日本
上へ戻る