韓国科学技術情報通信部(MSIT)は7月23日、韓国独自の人工知能(AI)モデルに基づき、利用回数の制限なく無料で使える汎用AIチャットボットと公共AIエージェントを全国民に提供する「みんなのAI」プロジェクトを、7月13日~8月11日の公募を皮切りに本格的に進めると発表した。
韓国では国民の約3分の2がAIサービスを利用した経験を持ち、約2300万人が生成AIを使っている。一方、約3分の1はAIを利用できず、生成AI利用者の多くが外国企業のプラットフォームの無料版に依存している。MSITは、AIの活用能力が個人の競争力を左右する中、AI格差が社会・経済的格差につながることや、外国企業による料金引き上げ、サービス終了などの方針変更の影響を受けることを懸念している。
国民向けサービスの運営実績を持つ民間企業2~3社を選び、国民の需要や嗜好を反映したサービスを提供する。選定企業は、ソブリン基盤モデルの基準を満たす韓国製AIモデルをサービスの50%以上に使用し、サービスの30%以上には自社以外の韓国企業が開発したモデルを採用する。外国製モデルは必要最小限の使用に限って認め、その部分は政府支援の対象外とする。
汎用チャットボットに加え、公共サービスを先回りして案内し、申請を代行する公共AIエージェントを提供するとともに、各社が独自に開発する特化型サービスも統合する。政府は今年、サービスの早期開始を支援するため、高性能画像処理装置(GPU、B200)512基を企業に提供する。8月に事業者を選び、9月末にベータ版を開始した後、年内に本格提供する予定だ。2027年以降は全国民へのサービス提供費を国費で賄い、最終的に「国民1人に1つのAIエージェント」の実現を目指す。
ペ・ギョンフン(Bae Kyung-hoon)副首相兼科学技術情報通信相は、「『みんなのAI』は単なるサービスではありません。国民がAIとともに働き、学び、日常生活を送るためのAI時代の電卓であり、コンピューターです。また、AIがもたらす新たな経済構造の恩恵を誰もが公平に享受するためのプラットフォームでもあります」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部