2026年08月
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150℃で結晶方位のそろったテルル半導体薄膜を成長 韓国KAIST

韓国科学技術院(KAIST)は7月27日、KAIST、漢陽大学校、米国ライス大学の研究者らが、原子層堆積法(ALD)を用い、ファンデルワールス材料上に結晶方位のそろったテルル半導体薄膜を150℃の低温で成長させる新技術を開発したと発表した。研究成果は学術誌Science Advancesに掲載された。

KAISTのソ・ジュンギ(Joonki Suh)教授(右から3人目)、博士課程学生キム・チャンファン(Changhwan Kim)氏(右から4人目)と研究チームメンバー

次世代半導体や低消費電力電子デバイスには、異なる機能を持つ材料を、それぞれの特性と接合界面を損なわずに積層する技術が必要となる。原子層が弱い力で結び付くファンデルワールス材料は、原子レベルで清浄な界面を保ったまま異種材料を積層できる。一方、表面が化学的に安定しているため、新たな半導体層の結晶方位を均一にそろえて成長させることは難しい。特に低温では原子が無秩序な方向に核を形成するため、高性能な薄膜の作製が困難だった。

KAIST生命化学工学科のソ・ジュンギ(Joonki Suh)教授の研究チームは、漢陽大学校のソン・ボングン(Bonggeun Shong)教授、ライス大学のハン・イーモ(Yimo Han)教授の各研究チームと共同で、テルル含有前駆体をファンデルワールス材料の表面で自由に移動させ、エネルギー的に最も安定した位置で薄膜を形成させた。その結果、ALDにより、テルルを単一の結晶方位にそろえてエピタキシャル成長させることに成功した。

拡散誘導エピタキシャル原子層堆積法(ALD)によるテルル薄膜成長の概念図。ファンデルワールス材料の表面に供給された2種類の前駆体が表面を拡散し、エネルギー的に安定した位置で、一定の結晶方位にそろったテルル薄膜を形成する過程を示している。(AI生成画像)
(出典:いずれもKAIST)

同技術は二セレン化タングステン(WSe2)、二硫化モリブデン(MoS2)、二セレン化レニウム(ReSe2)、雲母に適用できた。さらに、得られた薄膜から電流を制御するトランジスタと、光を検出・放出する光電子デバイスを作製し、機能性半導体デバイスへの応用も実証した。テルルは方向によって大きく異なる電気伝導性と優れた光制御特性を併せ持ち、光検出器や発光ダイオード(LED)などへの利用が期待される。

筆頭著者のKAIST博士課程学生キム・チャンファン(Changhwan Kim)氏と責任著者のソ教授による研究で、同教授は「下地材料を損傷させず、ファンデルワールス材料上に高品質な半導体薄膜を低温で成長させられることを初めて実証しました。多様な次世代半導体を単一チップに集積する中核的な製造プラットフォームになると期待しています」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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