2026年09月
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原子レベル分析で恐竜の生前情報と化石化後の変化を判別 韓国・高麗大学校

韓国の高麗大学校(Korea University)は8月7日、同大学校の研究者らが約1億1800万年前のカルカロドントサウルス科恐竜の歯を原子レベルで分析し、生存時に残された化学情報と化石化の過程で生じた変化を識別することに成功したと発表した。食性や生息地を探る基盤となる可能性がある。研究成果は学術誌Microscopy and Microanalysisに掲載された。

恐竜の歯に残る炭素(C)と窒素(N)の同位体からは食性と食物連鎖上の位置、地域の岩石や水の特徴を反映するストロンチウム(Sr)からは生息地と移動経路を推定できる。カルシウム(Ca)と酸素(O)の同位体も食習慣や当時の生態・気候環境を知る手掛かりとなる。しかし、数千万年の埋没中に地下水や周辺土壌の成分が浸透するため、検出成分が恐竜の生存時から存在したものかを判断することは難しかった。

高麗大学校新素材工学部のキム・セホ(Kim Se-Ho)教授、ソウル大学校基礎科学研究院のイ・ソンジン(Sungjin Lee)博士、ドイツのマックス・プランク持続可能材料研究所のチャン・ギュソン(Kyuseon Jang)博士らは、慶尚南道河東郡住只島の下山洞層で見つかった白亜紀の歯の化石をアトムプローブトモグラフィー(APT)で調べた。APTは試料から原子を一つずつ取り出して分析し、各元素の位置を原子レベルの3次元地図として示す技術である。

分析の結果、歯の外層であるエナメル質は元の結晶構造を比較的よく保つ一方、その下の象牙質は化石化中に地下水や周辺鉱物の強い影響を受けていた。さらに、エナメル質内で生存時の化学情報を保つ領域と、化石化で変質した領域を原子レベルで識別できた。従来は両領域を区別せず分析することが多く、食性、生息環境、移動経路の解釈が異なる可能性があった。今回の手法に高精度同位体分析を組み合わせれば、これらと当時の環境をより正確に復元でき、ウラン(U)と鉛(Pb)が十分残る化石では年代や地質年代を直接測定する研究にも応用できる可能性がある。

同教授は「今回の研究は、原子レベルの先端分析によって恐竜の生存時の情報と化石化で生じた変化を区別した初の事例です。小さな化石片から数千万年前の恐竜の生活史を復元する新たな研究分野が開かれると期待しています」と説明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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