2026年09月
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金星雲の未知吸収物質には極めて高い光吸収能力か濃度が必要 韓国IBS

韓国の基礎科学研究院(IBS)は8月27日、国際研究チームが金星の観測結果と放射伝達モデルを組み合わせ、上層の硫酸雲に暗い模様を生じさせる「未知の吸収物質」に必要な光吸収能力や濃度を数値で明らかにしたと発表した。研究成果は学術誌Astrobiologyに掲載された。

金星は可視光では淡黄色に見えるが、紫外線画像では約1世紀前から暗部と明部が観測され、その原因物質の化学的正体は未解明である。研究チームは、雲粒を集めて分光測定用セルに入れた場合、その液体がどのように見えるかという問いをモデル化した。

本研究で放射伝達モデルの計算を担当したIBS惑星大気グループのイ・ヨンジュ(LEE Yeon Joo)博士は、雲粒と大気分子による多重散乱を考慮し、宇宙から観測された紫外線・青色光の反射率を、実験室で測定される雲粒内の液体そのものの吸収係数に換算した。米国の応用分子進化財団の筆頭著者ヤン・スペイセク(Jan SPACEK)博士、イ博士、ポーランドのヴロツワフ科学技術大学のヤヌシュ・J・ペトコフスキ(Janusz J. PETKOWSKI)氏、英国ケンブリッジ大学のポール・B・リマー(Paul B. RIMMER)氏らが研究に参加した。

365~455nmの波長範囲では、雲粒内の液体が光を吸収する強さを表す常用対数吸収係数が、375nmで約1278cm-1に達した。この結果は、未知の物質が光を極めて効率よく吸収するか、非常に高い濃度で存在するか、またはその両方である必要があることを示す。高い光吸収性を持つ共役系有機分子は、この条件を満たす可能性がある。光を効率よく吸収するポルフィリン系色素と同程度の吸収強度を持つ分子なら、約10g/Lの濃度が必要となる。ただし、ここでいう「有機」は炭素を含むことを意味し、生物由来とは限らない。

濃硫酸中の単純な有機物から生じる褐色または黒色のタール状混合物は、可視光を幅広く吸収するため、365~455nmで吸収が急激に低下する金星の推定スペクトルとは一致しない。研究結果は、金星の雲に生命が存在することや、吸収物質が有機物であることを示すものではない。候補物質が満たすべき吸収効率、濃度、大気中の分布、現実的な雲粒の粒径分布との整合性を明らかにしたもので、今後の実験や金星雲の直接探査によって検証できる。

金星の「未知の吸収物質」の説明
(出典:IBS)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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