オーストラリアは冬である。だが、お気づきの通り、気候は異常に暖かい。今週末、国内の多くの地域で、最高気温はこの時期の平均気温を大幅に上回った。
南オーストラリア州の奥に位置するウードナダッタという町では、金曜日に38.5℃、土曜日に39.4℃を記録した。これは平均気温を約16℃上回っている。両日とも、同州で記録された過去の冬の気温を大きく上回っていた。オーストラリアの多くの地域で、この暑さは来週まで続くと予想されている。
この異常な暑さをもたらしたのは高気圧であり、それはまだオーストラリアに留まっている。そのため、気温の記録はすでに破られているものの、今後数日間でこの記録をさらに更新する町が出てくる可能性がある。
地球温暖化は周知の事実となっている。事実、2024年は記録上最も暑い年になりつつあり、我々は気候変動を目の当たりにしている。過去の平均気温はまさに過去のものとなっている。
だからこそ、この冬の暑さが不安の種となっている。温暖化傾向は、少なくとも化石燃料を燃やし、大気を汚染し続ける限り続くであろう。今はまだ8月だということを考えてみれば、春と夏の熱波は、さらにひどいものとなろう。
2024年8月のオーストラリアの広範囲にわたる猛暑の予報(気象局)
気象局は、週末にかけて複数の州で多くの記録が塗り替えられると予想していた。木曜日、気象局のアンガス・ハインズ (Angus Hines) 気象予報士は次のように述べた。
「冬の終わりは焼けつくような暑さとなるでしょう。今後数日間は全国的に猛暑が広がり、複数の州で冬の最高気温の記録が更新されるかもしれません」
オーストラリア中部では気温が急激に下がったが、これは特に例外的なことだとハインズ気象予報士は述べた。
金曜日の南オーストラリア州北部とノーザンテリトリー州南部の気温は、平均より15℃も高かった。
西オーストラリア州北部の気温は週末に上昇を続け、日曜日にフィッツロイ・クロッシングで記録された気温は40℃以上だった。タウンズビルからメルボルンにかけて、平均より2~12℃高い気温が連日続いている。
8月19日から24日にかけての最高気温の異常を示し、オーストラリア全土で暑さが増している様子が見られる:気象局、CC BY
しかし、注意して欲しいのだが、まだ8月である。ハインズ気象予報士が述べたように、オーストラリアの大部分ではまだ火災リスクの高い季節は到来していないが、現在、暑く、乾燥し、時折風が吹くという条件が整っているため、オーストラリア全土で火災の発生リスクが中~高レベルで存在する。また、オーストラリア中部に砂埃がもたらされる可能性もある。
シドニーとパースの北側では、今後1週間の多くは暖かい日が続くだろう。
ここ数日、頑固な高気圧がオーストラリア東部とタスマン海にとどまっている。この高気圧のおかげでオーストラリア大陸の大部分の空は晴れ、多くの地域に北風が吹き、暖かい空気は南に移動している。
高気圧下では晴れた空を通して日照量が増え、空気の下降が進み熱が上昇するため、気候は暖かくなる。
8月下旬まで日射強度と日照時間の両方が増加する。そのため、条件が整えばオーストラリアの中央部は実に暑くなる。
冬になると長い夜の間に地表から熱が失われるため、6月の高気圧は冷却条件となり得る。しかし、8月下旬になるとその条件は大きなものではなくなる。
このような気象パターンは過去にも見られた。オーストラリアでは、晩冬や春先に暑くなることはある。しかし、全国で気温の記録が塗り替えられていることから分かるように、今年の暑さは例外的である。
8月の気温は過去1世紀にわたって上昇している:気象局
人類が温室効果ガスを排出し続けてきた結果は明らかになっている。オーストラリアの冬は全体的に気温が上昇し、冬の「熱波」も強さを増している。
8月のオーストラリアで記録された気温のうち、最も高い3記録はすべて2000年以降であり、昨年の8月は1910年以来2番目の高さであった。オーストラリア全土で冬を暑くする気象条件が発生すると、気温は100年前よりも高くなる。
我々が今経験している暑さは、近年、世界で立て続けに気温記録が打ち立てられ、北半球全域で猛暑が続くことの影響を受けている。
この暑さは続く見込みであり、ブリスベンでは水曜日から日曜日にかけて気温が30℃を超えると予想されている。春になればオーストラリア大陸全体で平年より高い気温が続くと予想されているが、例年のように、暖かくなったり寒くなったりすることであろう。
例外的な暖冬は、既に記録を更新している。気候変動はすでに、このような冬の暑さの頻度と強度を高めており、人類の温室効果ガス排出が続けば、未来の春と夏はさらに暑くなるだろう。
(2024年9月10日公開)